"五右衛門"

 <真夜中の蒋介石じゃなくて招待席> (^^;

 ある日の夜、私は行きつけのスナック某Pで、顔見知りのA氏とうどんの話で盛り上がってました。
 暇なんで店も閉めようかという0時半ごろ、「うどんが食いたいの〜!」という話になって「今からだったら、"鶴丸" か "五右衛門" ... "こんぴらうどん" いう手もあるの。 "讃岐屋" は多分もう閉まっとるやろ...」きたきた! 『真夜中の招待席』や!!
 それから「 "鶴丸" のおやじは愛想が悪い」やの「カレーうどんは邪道」やの、ワーワーゆってる内に1時を過ぎて、店を閉めるんも早々に「いかねばならぬ、たこねばならぬ!!」と叫びながら、我々2人は真夜中の招待席を目指して高松の街を北上した。(一部脚色&パクリあり)

 そんな時間に、スーツ姿のサラリーマンと派手な服来て 汚いバイク押した男が連れだって閑散とした商店街を歩いとんのはちょっと怪しい。でも酔ってるから全然だいじょうぶ!(「大丈夫」ちゃうやろ!!)
 実はワタクシ、偉そうに言いながら、"五右衛門" には2年ぐらい前に1度行ったきりで、道もよく覚えてなかったのである。丸亀町とライオン通りの間の狭い路地だったゆうことぐらいで、それから何回も近くを通っているのに全然覚えてなかったのだ。…が、うどんやレポートも書かなあかんし、次回はぜひ連れて行ってあげたい友人がおったんで、迷わず "五右衛門" をプッシュしました。
 そしてその2分18秒後(計ったんかい)、我々は丸亀町商店街からライオン通り方面に向かう、なんの目印もない なんやようわからん狭い道に入った。(ぜんぜん覚えようゆー気がないんかい!)

 私「ほんまにこの道でえん?」 A氏「なんとなく...」という頼りない会話をしながら更に東へ。
 A氏「あぁ、おーとるわ、この店があるけん」って、商店街を曲がってから目印があっても どっから曲がるかを覚えたい私には何の役にも立たんやないの! ライオン通りが見えてきた辺りで左前方に "五右衛門" を発見。
 つまり、ライオン通りの古馬場近辺をず〜っと西見ながら歩っきょったら、こわいにいちゃんにぶつかってカレーうどんを死ぬほど食わされるっちゅうこっちゃ。って、ちゃうちゃう! けど、だいたいの位置は把握しました。(どないやねんな...)

 どうも、木曜日は高松中暇な曜日のようである。
 それとも我々の行動する時間帯が遅すぎたのか、古馬場近辺の人通りも少ないようであった。時刻はもう1時半になろうかという頃、"五右衛門" の客は2〜3人。黒を基調にした、ちょっと見たところ うどんやとは思えんような店内。2年前に来たときは、結構酔っていたのと初めてだったのとで、店の中の印象はいまひとつ残ってなかった。でもカレーうどんの大を食べたんは覚えとるし、かなりうまかったんも覚えとる。

 イスに座ると、すぐおっちゃんが注文を取りに来た。A氏はざるの大を注文、いつの間にかおでんも取って来とる。
 私は悩んでいた...。悩みに悩んだ挙げ句、口から出た言葉は「あの〜、何がうまいですか?」 言ぅた瞬間「あ〜いかん、オレ酔ーとるわ!!」と思たけど、おっちゃんすかさず「何でもうまいです」。「そうでしょう、そうでしょう、つまらんこと聞いたワタクシが悪ぅございました!」と思いながらも、とっさに "おしながき" を見て「生醤油の大のつめたいん」と言いました。
「自分もおでん食べたらえん」というA氏の言葉に促されおでんを取りに行く私。けど、見たらもうほとんどのもんがなくなっとる。辛うじて残っとった、だいこんと厚揚げをとって、高松では一般的な「からし酢みそ」をかけて席に戻るとA氏も同じものを取って来ていた。つまりは、それしか残ってなかったということである。(^^;

 先程も書いたように "五右衛門" はうどんやでありながら、上品でちょっとおしゃれな感じさえする店なのである。おでんなんかもすごく上品で、だいこんはあくまで白く(味がしみてないだけやん! と思たら大間違い)、厚揚げの大きさは均一でした。その辺のうどんやのおでんの厚揚げなんかだと、大きさにかなりのバラツキがあるのに値段はいっしょなんので、ちょっと遅い時間に行ってオプションが尽きてた時なんか、泣く泣く売れ残った従来の半分ほど(当社比)の大きさの厚揚げを食うことになるのである。(細かい話や)

 …と、また話がそれたが。
 何か誉めよんか、けなっしょんかわからんようになってきたけど、勿論誉めよんです。
 おでんを食い終えた瞬間、うどんが出てきた。「グッドタイミング!」 これまたクールな黒いどんぶり(ここまで来たらあばたもエクボ?)に入った麺はあくまでも白く(おっさん おっさん、だいこんの時と同んなじ誉め方ですがな!)、「しゅっ」として「ぴっ」としとる((なんかもう完全に「恐るべき調」になっとる)。別の小皿に入った薬味はねぎとすりごまと、七味もはいっとる。そして徳島名産のすだちや! これがあるとないとでは全然ちがう。まあ、嫌いな人もおるけど、個人的にはつめたい系のうどんにはぜひほしいアイテムである。薬味をざっとかけて、すだちをぎゅっと絞って、その上からしょうゆ(それ用についてくる)をちょろっとたらして、ちゃちゃっと混ぜたらいただきま〜す!
 …「ぼくよ、うまいがなっ!!」しょうゆは辛くなく甘くなく、決して麺の味を殺さない程度の濃さ。すだちの香りがほのかに漂って食欲をそそる。それにしてもこの麺...もう夜中の2時近いんやぞ、こんな時間にこの麺や! もうどうなってもええわって、うそうそ、はよいんで寝なあかん。 一応、明日も仕事や。

 お勘定は、2人で 1,600円。 勿論(?)A氏のおごり。(^^;
 おでんが1つ 100円として、うどん 600円ゆうとこかな。「夜の街価格」としては妥当なところですな。店の前でA氏と分かれて、バイクを押してライオン通りを南へ。すんなり歩けたゆうことは、やっぱり人が少なかったみたいやな。金曜の夜なんかやったら、あの辺りは2時前でもバイクなんか押して歩けたもんやないほど人がおるからな。

 家に帰って、腹ん中にうまいうどんがはいっとる思うと、何や知らん妙にしあわせな気分になってしまうのでした...。
 『真夜中の招待席』、酔い冷ましがてら、1回は行っとくべきでしょう。


<その後>

 最近は、とんと行ってませんな。
ここ2〜3年中に1回ぐらいは行ったかも知れん...と云うぐらい。

 確か、(もうだいぶ前に)新店舗が出来たらしいけど、そっちには1回も行ったことがない。 あの時間帯に、北向いて行くこと自体 殆どないもんな...。

 けど、機会があったら またカレーうどん食いに行こや。




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